
kotoが考える、シャツのかたち。
kotoでは、国内外からさまざまなブランドやプロダクトをセレクトしています。
その一方で、自分たちがその時々に提案したいスタイルを考えていくと、セレクトしたものだけでは埋めきれない部分が出てくることがあります。
「今、こういうものが欲しい。」
「このアイテムがあれば、このスタイルが成立する。」
そんな感覚から、kotoのオリジナルプロダクトは始まります。
私たちが作りたいのは、一着だけで強く主張するための服ではありません。
さまざまなプロダクトの間に入り、それぞれの個性をつなぎながら、スタイル全体を成立させてくれるもの。
いわば、スタイリングにおける“名脇役”のような存在です。
だからこそ、一見するとベーシックなものほど、シルエットや素材、縫製といった服そのものの質を大切にしています。
The silhouette
今回、シャツを作るうえで最も大切にしたのは、シルエットでした。
身体のラインをきれいに見せながら、シャープですっきりとしていること。
ただ、細ければいいわけではありません。
私たちがこれまで触れてきたヨーロッパのシャツには、身体のラインを美しく見せる、シャープなバランスを持ったものがあります。
その佇まいをひとつの起点としながら、日常的に着るシャツとしての心地よさも両立させたいと考えました。
そこで、身幅やアームホールには適度なゆとりを持たせながら、全体のシャープな印象を崩さないようにバランスを調整しています。
リラックスしすぎず、タイトすぎない。
身体をきれいに見せながら、自然に袖を通すことができる。
その間にある、自分たちにとって心地よいバランスを探りながら、このシャツのシルエットを作りました。

Details
一見すると、とてもシンプルなシャツです。
ただ、細部を見ていくと、いくつかの小さな違和感があります。
襟は、一般的なシャツよりも少しだけ大きく。
それでも襟そのものが主張しすぎないよう、さまざまなスタイルに自然と馴染むバランスに整えています。
フロントには7つのボタンを配置。
カフスには、小さな切り込みを入れています。
どれも、一目でデザインだと分かるようなものではありません。
見慣れたシャツのようで、どこか少し違う。
よく見ることで、初めて気づくくらいの差です。
私たちが作りたかったのは、ディテールそのものが主役になるシャツではなく、着る人や、そこに合わせるプロダクトを引き立てながら、細部にわずかな個性が残るもの。
そのくらいの距離感で、デザインを加えています。
Fabric & Production
生地には、コットン85%、ウール15%の混紡素材を使用しています。
30番手の先染め糸を使用した平織りの生地で、コットンの扱いやすさや肌触りの中に、ウール特有の上品な風合いがあります。
均一でフラットな表情ではなく、縦糸と横糸の表情がほどよく見えることで、シンプルなシャツの中にも奥行きを感じられる生地です。
生産をお願いしているのは、九州にあるシャツ専業の工場。
シンプルな服ほど、縫製の精度や仕立ての違いが、そのまま服の佇まいに現れると私たちは考えています。
だからこそ、kotoのオリジナルプロダクトでは、デザインだけでなく、それを形にする技術にも妥協したくありません。
国内のシャツ専業工場が持つ確かな縫製技術によって、私たちが考えるシルエットや細かなディテールを、一着のシャツとして形にしています。

How to wear
このシャツに、決まった着方はありません。
ボタンをきれいに留め、シャツ本来のシルエットを生かしてクラシカルに着る。
いくつかのボタンだけを留めて、少し力を抜いて着る。
夏であれば、ショーツやサンダルのようなリラックスしたスタイルの中に取り入れることで、全体を少しだけ引き締める。
反対に、存在感のあるパンツやプロダクトと合わせ、その個性を受け止める役割として使うのもいいと思います。
シャツそのものには、あえて強いデザインを持たせていません。
一着でスタイルを完結させるためではなく、その前後にあるプロダクトとの関係によって、スタイルを整えるための服だと考えているからです。
サイズは1、2、3の3サイズ。
サイズ1は女性が着ることも想定し、基本的にはユニセックスで提案しています。
同じ一着でも、誰が、どのサイズを選び、何と合わせるかによって、その見え方は変わっていく。
着る人それぞれのライフスタイルやパーソナリティによって、役割が変わること。
その余白も含めて、このシャツを楽しんでもらえればと思います。

koto original products
kotoのオリジナルプロダクトは、セレクトしたものとは別の場所にあるものではありません。
自分たちがその時に提案したいスタイルを考え、そこに必要なものがなければ、自分たちで作る。
主役になるためではなく、服と服の間に入り、スタイルをつなぐために。
今回のシャツも、そんな考えから生まれた一着です。
私たちが作ったところで完成するのではなく、誰かの日常に入り、その人なりのスタイルの一部になっていく。
そんなプロダクトであればと思っています。



Thierry Shirt
COTTON 85% / WOOL 15%
MADE IN JAPAN
koto
京都市左京区聖護院蓮華蔵町20
12:00–19:00 / 水曜定休