
普段から着ているシャツやニット、寒い日に手を伸ばすコート。
身近な洋服にも、素材や形が少し変わるだけで、いつもの装いを新鮮に感じられる瞬間があります。
Ernie Palo(アーニーパロ)は、そうした日常の服を出発点に、素材とシルエット、その組み合わせから独自の表情をつくるブランドです。
kotoにとっても、お店の考え方と深く重なり、セレクトの軸となるブランドのひとつ。
今回は、ブランドの背景と、kotoが惹かれている部分に触れながら、2026年秋冬の装いに向けたラインナップをご紹介します。
ABOUT ERNIE PALO
Ernie Paloは、デザイナー・クリエイティブディレクターの山口亮が、2021年春夏にスタートした東京を拠点とするブランドです。
2011年春夏に自身のブランドALLEGE(アレッジ)を立ち上げた山口氏。そこでの経験を重ねながら、Ernie Paloではメンズとウィメンズの両方を通して、日々の暮らしに関わる服を提案しています。
ブランドが掲げるのは、普遍的なものづくりの中で、自分たちの個性を追求すること。そして、今という時代を映しながら、その先の世代にも受け継がれるプロダクトを生み出すことです。
見慣れた形を土台にしながら、素材の選び方や分量、ディテールの配置を考える。
シャツやニットといった身近なアイテムに、その時代の感覚とブランドの個性を重ねていく。その姿勢が、Ernie Paloの服づくりにつながっています。
MATERIALS AND SILHOUETTES
山口氏は過去のインタビューで、ベーシックな服の魅力について、着る人の個性やスタイリングを受け止められる幅があることを挙げています。そして、デザインするうえで重視するのが、素材とシルエットだと話しています。
ニットの首元がどのくらい開いているか。シャツの袖に、どれだけの分量を持たせるか。馴染みのある生地を、どんな形の服に使うか。
その選択によって、一枚で着たときの輪郭も、ほかの服と重ねたときの見え方も変わります。
メンズとウィメンズの関係にも、細かな視点があります。ウィメンズを単にメンズの小さいサイズとして考えるのではなく、身体に合う形と、残したい服の雰囲気、その両方を見ながらつくること。
日常に取り入れやすく、その一着ならではのバランスもある。Ernie Paloを見ていくうえで、素材と形の関係はひとつの手がかりになります。
CLOTHES AS PART OF LIFE
山口氏の関心は、洋服だけに留まりません。
音楽や食、暮らす空間、日々出会う人やもの。そうした身の回りの経験も、活動の背景にあります。
ブランドの初期には、STUDIO PREPAとのガラスオブジェや、ZEPTEPIとのワインボトルケースも制作してきました。服とともに、生活の中で使うものにもブランドの視点が広がっています。
何を着るか、何を聴くか、どんな場所で時間を過ごすか。
それぞれを選びながら、その人の日常が少しずつ形づくられていく。Ernie Paloの服も、そんな暮らしの中の一着として捉えると、より身近に感じられるかもしれません。

ERNIE PALO AT KOTO
kotoでは、日常に自然と入り込む服を、セレクトの軸に据えています。
その中でもErnie Paloは、お店が大切にしている考え方を、ブランドとして深く共有していると感じる存在です。kotoの装いを考えるうえで、軸となるブランドのひとつだと捉えています。
クラシカルでベーシックな服を土台にしながら、着たときのシルエットには、今のムードがある。
一着だけを見ているときよりも、パンツや靴と合わせ、全身のスタイリングになったときに、そのバランスの良さが見えてくる服だと思います。
一見すると、似た形の服が思い浮かぶかもしれません。ただ、肩の落ち方や身幅、丈の取り方、生地が身体から離れる様子まで見ていくと、素材とシルエットの違いは大きいと感じます。
そうした細かな部分を、高い水準で形にしているところが、Ernie Paloに惹かれる理由です。
今回のHooded Melton Half Coatにも、その感覚が表れています。

フードやポケットを備えた姿から、ダッフルコートを連想する一着。一般的なダッフルコートでよく見られるトグルに対し、こちらはボタンで開閉する仕様です。
個人的には、トグルに少し愛らしさを感じることがあります。その留め具がボタンになることで、前身頃の見え方がすっきりと整い、街で着る大人のコートとして自然に受け取れる。
ひとつのパーツの違いが、服全体の印象につながっています。
見慣れた服の要素を、どこまで残し、どこを変えるか。その細かな選択によって、馴染みがありながら新鮮に感じられるバランスが生まれる。
Ernie Paloは、そうしたニュアンスの表現がとても巧みなブランドだと思います。
日常の服として無理なく着られて、着たときには今の気分も感じられる。その両方が自然に収まっているところに、kotoとして提案し続けたい魅力があります。
AUTUMN / WINTER 2026 AT KOTO
今回kotoでご紹介するのは、Hooded Melton Half Coat、Silk Kid Mohair V-neck P/O、Wool Corduroy Vest、Volume Sleeve Boat Neck Shirt。
そして、Ernie Palo × TANによるCable Knit Vest with ScarfとCable Half Sleeve Knitです。
メルトンの緻密な表面、モヘアの毛足、コーデュロイの畝、ケーブル編みの立体感。
それぞれの素材の表情が、服の形とどのように組み合わされているのか。一着ずつの特徴とともに、重ねて着るときのバランスにも目を向けてみたいと思います。
HOODED MELTON HALF COAT
EP12CO02 / BROWN・BLACK

フード付きのハーフコートは、ブラウンとブラックの二色。
表地には、ウール90%、ポリエステル10%のメルトンを使用しています。落ち着いた生地の表情に、肩を落としたゆったりとしたシルエットを合わせています。

首元まで続くボタン、大きなフラップ付きパッチポケット、袖口の調整タブ。日々の着用につながるディテールを備えながら、前身頃はすっきりとした印象にまとまっています。
裏地はレーヨン54%、コットン46%。

ニットの上から羽織ったり、シャツと合わせてボタンを留めたり。身幅にゆとりがあるため、内側に重ねる服の分量も考えながら楽しめます。
ハーフ丈の裾と、合わせるパンツとの関係にも目を向けたいコートです。
SILK KID MOHAIR V-NECK P/O
EP12KN01 / GRAY・CAMEL

グレーとキャメルで届いた、深いVネックのプルオーバー。
素材はキッドモヘア58%、ウール21%、シルク21%。ふんわりとした毛足が編み地を覆い、シルクを含む糸が、色の中に穏やかな光沢を添えています。

その素材に対して、首元は胸元まで深く開くVネック。毛足のある編み地と襟元の開きによって、内側に重ねた服を見せられる形になっています。
カットソーの色をのぞかせる。シャツの襟を重ねる。
ニットそのものの表情に加えて、何を内側に着るかによって印象が変わります。コートの中に重ねたときにも、首元の組み合わせを楽しめる一着です。

グレーとキャメル、それぞれの色が毛足を通してどのように見えるか。その違いも見比べていただきたいと思います。
WOOL CORDUROY VEST
EP12VT01 / TOP GRAY・TOP BROWN

Top GrayとTop Brownの二色を揃えた、ウールコーデュロイのジップベスト。
表地はウール100%。裏地にはレーヨン54%、コットン46%を使用しています。
コーデュロイというと、コットン素材のパンツやジャケットを思い浮かべる方も多いかもしれません。こちらはウールを用い、畝のある表面と秋冬らしい素材感を組み合わせています。
フロントはダブルジップ仕様。上から開けて襟元を見せるだけでなく、裾側を開けて、中に着たシャツやカットソーとのバランスを調整できます。

袖のないベストだからこそ、内側に合わせる服の袖や身頃との関係が、そのまま着こなしに表れます。
一枚重ねることで素材の違いが加わり、ジップの開け方でも輪郭が変わる。秋から冬へ、内側に合わせる服を替えながら着ていきたいアイテムです。
VOLUME SLEEVE BOAT NECK SHIRT
EP12FSH04 / WHT

コットン100%の白いシャツは、首元と袖の形が特徴です。
襟をなくし、横に広がるボートネックを採用。フロントはボタンが表から見えにくい比翼仕様で、胸元にはパッチポケットを配置しています。
身幅と袖にゆとりを持たせ、袖口には幅のあるカフスを。背面にはヨークとセンタータックを設けています。
白いコットンシャツの馴染み深さを残しながら、襟元と袖の分量によって、いつもとは違う輪郭をつくる一着です。
袖のふくらみを幅広のカフスが受け止めることで、腕を下ろしたときや動かしたときにも、形の変化が見えてきます。
一枚で袖の形を見せたり、首元からインナーをのぞかせたり。装飾の少ない白いシャツだからこそ、形の違いに目が向きます。
ERNIE PALO × TAN — CABLE KNIT VEST WITH SCARF
EP11FKN02 / NAVY

Ernie PaloとニットブランドTANによる、スカーフが付属したケーブルニットベスト。
ウール100%の編み地に、縦方向のケーブル模様を施しています。クルーネックにフロントボタンを配し、裾はリブで仕上げた、コンパクトな着丈の一着です。
ケーブル編みの立体感を、短い丈と袖のない形にまとめることで、重ねた服との分量の違いが見えるデザインになっています。
シャツやロングスリーブのカットソーを合わせれば、袖や裾の見せ方も着こなしの一部に。

同素材の細長いニットスカーフは、首元に巻いたり、そのまま垂らしたり。ベストとつながる素材を首元に加えることで、上半身の見え方を変えられます。
ベスト一枚の形だけでなく、スカーフを含めて組み合わせを考えられるプロダクトです。
ERNIE PALO × TAN — CABLE HALF SLEEVE KNIT
EP11FKN03 / NAVY

同じくErnie Palo × TANによる、ハーフスリーブのケーブルニット。
素材はウール100%。全体に細かなケーブル編みを施し、首元、袖口、裾をリブで仕上げています。
程よく身体に沿うシルエットに、すっきりとした着丈。クラシックな編み柄を、コンパクトなバランスで着られる一着です。
落ち着いたネイビーの中に、編み柄の凹凸が表情をつくります。色を抑えた装いでも、素材の立体感を取り入れられるところが魅力です。
一枚で袖丈と身頃のバランスを見せたり、ジャケットの内側から編み柄をのぞかせたり。
Cable Knit Vest with Scarfと見比べると、同じケーブル編みでも、袖の有無や着丈によって着たときの輪郭が変わります。それぞれの形から、合わせる服を考える楽しさがあります。
EVERYDAY COMBINATIONS

コートの下に、毛足のあるニットを重ねる。ウールコーデュロイのベストにシャツを合わせる。ケーブルニットに、付属のスカーフを添える。
それぞれの服が持つ素材の表情や丈、首元の形によって、組み合わせの見え方は変わります。
クラシカルでベーシックな服の中にある、細かな違い。その違いが全身のバランスにつながり、普段の装いに今の気分を加えてくれます。
Ernie Paloは、kotoにとって、そうした服の楽しみ方を共有できるブランドです。
一着ずつの素材と形に触れながら、ご自身のワードローブとの組み合わせを見つけていただけたらと思います。